遺産相続紛争

今日の新聞の記事に、「遺産相続 少額ほどもめる」の見出し。

2019年の最高裁の集計では、調停が成立した紛争の金額別では、1000万円以下が34%、1000万円超、5000万円以下が42.6%、5000万円以下合計では全体の76%にもなります。

その原因は、基礎控除。
相続税の基礎控除は、「3000万円+600万円×法定相続人の数」、相続人が、配偶者、子供2人で相続人が3人の場合は、4800万円。
主だった遺産は、自宅という方は遺産がこの基礎控除内に収まり、非課税となる為、遺言書作成等の相続紛争への準備を特に行わないのが原因となっています。
誰も住んでいない自宅の場合は、当社もよく依頼されますが売却等により、得られた資金を分配することでまとまることが多いのですが、同居していた子供がいた場合が問題です。
例えば、長男が実家に同居していた。
遺産は、自宅(評価額:2000万円)、預金(500万円)、合計2500万円。
法定相続通りであれば、1/2になるので、長男、次男、それぞれに1250万円づつになりますが、長男は実家に住んでいる為、実家をそのまま相続することを主張。
しかし、次男は不公平を主張し、均等に1250万円を主張するというようなケースです。

その場合、長男が実家を相続する代わりに、次男の相続分の代償金を支払い合意、解決する。
ただ、その場合はまとまった現金が必要になる。
遺産が基礎控除内、多額でなかったとしても、いざ、代償金を準備するとすぐに準備できる金額ではありません。

やはり、重要なことは事前の準備。
遺言書を作成し、自分の意思を明確に伝える。
同居する子供に、そのまま自宅を引き継いでもらうことが希望であれば、引き継ぐ子供が代償金を払えるように、生前贈与や生命保険、預金等の準備など…

私の仕事である不動産業、特に取り扱っているのは、居住用の不動産です。
皆さん、夢を持ち、幸せを育むために気付いてきた財産を、家族の争う原因にしない為に、新聞の記事を拝見し、まだまだ、不動産相続の情報発信が必要だと感じます。

来月から、相続勉強会を、定員を半分にし、距離を確保し再開します。

多くの方に、相続を「幸せを繋ぐ」機会にできるように、活動していきたいと思います。

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