不動産の相続に関する基礎知識

不動産は、相続財産の中でも特に重要な資産の一つです。
相続人同士のトラブルを防ぐためにも、正しい知識を持っておくことが大切です。

1.不動産の相続とは?

不動産の相続とは?
不動産の相続とは、被相続人(亡くなった方)の所有していた土地や建物を、相続人が引き継ぐことを指します。
たとえば、実家や賃貸アパート、空き地などが対象になります。

2.相続の手続きの流れ

不動産相続は、遺産分割協議や登記手続きなど複数の段階を経て進みます。事前準備と正しい手順を踏むことで、スムーズかつ安心して相続を完了できます。
相続の手続きの流れ
1
相続人の確定
戸籍を調査し、誰が相続人にあたるかを確認します。
2
遺産の調査と評価
不動産を含む遺産をすべて洗い出し、その評価額を把握します。
3
遺産分割協議
相続人全員でどのように分けるかを話し合い、合意書を作成します。
4
登記の変更(名義変更)
法務局で不動産の名義を相続人に変更します。これを「相続登記」といいます。

3.遺言書がある場合

遺言書がある場合
被相続人が有効な遺言書を残していた場合、その内容に従って遺産が分けられます。公正証書遺言があると、手続きがスムーズになることが多いです。

4.相続放棄について

相続放棄について
不動産があるからといって、必ずしも引き継がなければならないわけではありません。借金が多いなどの理由で相続を希望しない場合、相続放棄という手段もあります(家庭裁判所に申立てが必要です)。

不動産の相続に関連して
かかる費用

不動産を相続する際には、手続きに伴うさまざまな費用が発生します。
あらかじめ把握しておくことで、準備がしやすくなります。
登録免許税

登録免許税

不動産の名義変更(相続登記)に必要な税金です。
税率:固定資産税評価額の0.4%
例:評価額2,000万円の土地 → 登録免許税は8万円

司法書士報酬(相続登記代行)

司法書士報酬(相続登記代行)

相続登記を司法書士に依頼する場合の費用です。
相場:5万円〜15万円程度
(不動産の数や相続人の数により変動)

相続税

相続税

一定以上の遺産を相続した場合にかかります。基礎控除を超えた場合にのみ課税されます。
基礎控除額:3,000万円 +600万円 × 法定相続人の数
例:相続人が2人 → 3,000万円+600万円×2=4,200万円までは非課税
相続税が発生する場合、不動産の評価額が大きく影響します。

不動産の名義変更後にかかる費用

不動産の名義変更後に
かかる費用

固定資産税・都市計画税:相続後は新しい所有者に課税されます。不動産の管理費・修繕費:マンションなどでは管理費が発生することも。

その他の費用

その他の費用

遺産分割協議書の作成費用(専門家へ依頼する場合)
数万円〜
相続に関する相談費用(税理士・弁護士など)
初回相談無料〜1時間1万円前後

まとめ

不動産の相続は、法律や税金など専門的な知識が必要になる場面が多くあります。費用面の準備も含めて、早めに専門家へ相談することがスムーズな相続の第一歩です。当社では、相続に関する不動産のご相談にも対応しておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

遺言書とは?
相続と不動産の重要なカギ~

不動産の相続は、家族間の大切な資産の引き継ぎを意味します。
中でも「遺言書」は、トラブルを防ぎ、希望通りに資産を継がせるための強力な手段です。

1.自筆証書遺言(じひつしょうしょゆいごん)

遺言書
特徴
本人が全文を自筆で作成する遺言書です。2020年の法改正により、
一部はパソコン作成でも可能になりました(財産目録など)。
メリット

• 手軽に作成でき、費用がほとんどかからない
• 思い立ったときに自分ですぐに書ける

デメリット

• 書式や内容の不備で無効になるリスクがある
• 相続開始後、家庭裁判所での検認手続きが必要
• 保管が自己責任なので、紛失や改ざんのリスクも

2.公正証書遺言(こうせいしょうしょゆいごん)

公正証書
特徴
公証役場で、公証人に作成してもらう遺言書です。証人2人の立会いが必要です。
メリット

• 法律の専門家が関与するため、形式不備による無効の心配がない
• 原本は公証役場で保管されるので、紛失や改ざんの心配がない
• 家庭裁判所での検認が不要

デメリット

• 公証人や証人に支払う費用が発生する
• 手続きのための時間と手間がかかる

3.秘密証書遺言(ひみつしょうしょゆいごん)

遺言
特徴
遺言者が作成した遺言書を封印し、公証役場でその存在を証明してもらう形式です。
内容は本人以外には知られません。
メリット

• 内容を秘密にしたまま、法的な証明を受けられる
• パソコンや代筆でも作成可能(自筆である必要はない)

デメリット

• 内容に不備があると無効になる可能性がある
• 家庭裁判所にて 検認手続きが必要
• 現在はあまり利用されていない形式

【遺言書の種類と特徴】

1.自筆証書※
2.公正証書
3.秘密証書
作成方法
全文自筆
(財産目録は自筆以外でも可)
公証人が作成
署名以外は
パソコン・ワープロでも可
費用
無料
有料(数万~数十万円)
公証人手数料
一律11,000円
証人
不要
2名必要
2名必要
保管
自宅や法務局での保管
(法務局であれば費用有)
公証役場
本人が保管
検認
必要
不要
必要
安全性
紛失や改ざんのリスクがあり
安全
内容が無効になるリスクあり
向いている人
物事を自分で決めたい人や
特定の遺産を残したい人
全ての人
特に相続人で揉める可能性がある人
遺言の内容を知られたくない人
※現在は法務局での「自筆証書遺言保管制度」も
利用可能です。安全に保管でき、検認も不要になります。