最終更新日:2026.09.14
札幌で相続人申告登記を使うには?手続きと注意点

不動産を相続したものの、相続人同士の話し合いがまとまらず、期限までに相続登記を終えられそうにない。そんなときに確認したい制度が「相続人申告登記」です。

2024年4月1日から相続登記が義務化され、不動産を相続したことを知った日から3年以内に登記を申請することが原則となりました。相続人申告登記は、遺産分割がまとまっていない場合などに、相続登記の申請義務を簡易に履行できる制度です。

この記事では、相続人申告登記の仕組み、相続登記との違い、必要な準備や注意点を、札幌で不動産を相続した方に向けてわかりやすく解説します。

相続人申告登記とは

相続人申告登記は、登記簿上の所有者が亡くなったことと、自分がその相続人であることを法務局へ申し出る制度です。2024年4月1日に始まりました。

必要な戸籍関係書類などを添えて、期限内に不動産を管轄する法務局へ申し出ることで、その申出人について相続登記の申請義務を履行したものと扱われます。

相続人が複数いる場合でも、それぞれが単独で申し出ることができます。また、複数の相続人が連名で申し出ることも可能です。

相続登記とは役割が異なります

相続人申告登記を行っても、不動産の名義が申出人へ変更されるわけではありません。登記簿には相続が始まったことと、申出をした相続人の氏名や住所などが記録されます。

そのため、相続した不動産を売却したり、抵当権を設定したりするためには、別途、正式な相続登記が必要です。

相続人申告登記は、相続登記そのものの代わりではなく、遺産分割がまとまるまでの間に申請義務を履行するための制度と考えるとわかりやすいでしょう。

どのような場合に利用を検討する?

相続人申告登記は、次のような事情で期限内の相続登記が難しい場合に検討できます。

・相続人が多く、遺産分割協議に時間がかかっている
・一部の相続人と連絡が取れない
・相続する不動産や相続人の調査に時間がかかっている
・売却や活用の方針が決まっていない
・過去の相続が重なり、権利関係が複雑になっている

ただし、すでに遺産分割がまとまっている場合は、将来の売却や管理を考えて、正式な相続登記を進めるほうが手続きは整理しやすくなります。

申出期限は原則3年以内です

相続登記の申請義務は、相続によって不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内が原則です。相続人申告登記を利用する場合も、この期限内に申し出る必要があります。

2024年4月1日より前に発生した相続も義務化の対象です。以前の相続について不動産の名義が故人のままになっている場合は、期限を確認し、早めに登記状況を調べましょう。

正当な理由なく義務に違反した場合は、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。

手続きの流れと必要書類

まず、固定資産税の納税通知書や登記事項証明書などで、対象となる土地・建物と登記名義人を確認します。そのうえで、登記名義人が亡くなったことと、自分が相続人であることを確認できる戸籍関係書類などを準備し、対象不動産を管轄する法務局へ申出書を提出します。

必要書類は、登記名義人と被相続人の氏名・住所が一致しているか、申出人との関係を戸籍で確認できるかなど、個別の状況によって異なります。法務省が公開している申出書の様式や記載例を確認し、不明点がある場合は法務局や司法書士へ相談しましょう。

申出は窓口への持参や郵送のほか、オンラインで行える場合があります。相続人申告登記には登録免許税はかかりませんが、戸籍証明書などの取得費用は必要です。

遺産分割が成立した後も手続きが必要です

相続人申告登記をした後に遺産分割が成立し、その結果として不動産を取得した場合は、遺産分割が成立した日から3年以内に、遺産分割の内容に沿った相続登記を申請する必要があります。

「相続人申告登記をしたから、今後は何もしなくてよい」という制度ではありません。申出後も相続人同士の話し合いを進め、誰が不動産を取得するのか、売却するのか、共有にするのかを整理しましょう。

まとめ|期限が迫る前に状況を整理しましょう

相続人申告登記は、遺産分割がまとまらないなどの事情で期限内の相続登記が難しいときに、申請義務を簡易に履行するための制度です。

ただし、不動産の名義変更が完了するわけではなく、売却や担保設定には正式な相続登記が必要です。申出後に遺産分割が成立した場合にも、改めて期限内の登記申請が求められます。

札幌で相続した不動産の扱いや売却についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。不動産の状況や今後のご希望を伺いながら、専門家との連携も含めて必要な手続きを整理いたします。

参考:法務省「相続人申告登記について」政府広報オンライン「不動産の相続登記が義務化されました」