最終更新日:2026.07.27
遺言書が見つかったら?不動産相続で確認すべき流れと注意点

札幌で遺言書が見つかったら?不動産相続で確認すべき流れと注意点

親や親族が亡くなったあと、遺品整理の中で遺言書が見つかることがあります。

遺言書には、預貯金だけでなく、不動産を誰に相続させるか、どのように分けるかが書かれている場合があります。そのため、札幌で土地や建物を相続する場合も、遺言書の内容はとても重要です。

ただし、遺言書が見つかったからといって、すぐに不動産を売却したり、名義変更を進めたりできるとは限りません。遺言書の種類や内容によって、必要な手続きが変わるためです。

この記事では、札幌で不動産相続が発生し、遺言書が見つかった場合に確認すべき流れと注意点を解説します。

まずは遺言書の種類を確認しましょう

遺言書が見つかった場合、最初に確認したいのは「どの種類の遺言書なのか」です。

主な遺言書には、次のようなものがあります。

・公正証書遺言
・自筆証書遺言
・法務局で保管されている自筆証書遺言

公正証書遺言は、公証役場で作成される遺言書です。形式の不備が起こりにくく、相続手続きでも比較的スムーズに使えることが多い遺言書です。

一方、自筆証書遺言は、亡くなった方が自分で書いて保管している遺言書です。自宅の金庫、仏壇、机の引き出し、重要書類のファイルなどから見つかることがあります。

ただし、自宅で保管されていた自筆証書遺言は、勝手に開封したり、すぐに手続きを進めたりせず、家庭裁判所での確認手続きが必要になる場合があります。

自筆証書遺言は、勝手に開封しないよう注意

封がされた遺言書が見つかった場合、相続人だけで開封してしまうのは避けましょう。

自宅で保管されていた自筆証書遺言は、家庭裁判所で「検認」という手続きが必要になることがあります。検認とは、遺言書の状態や内容を確認し、偽造や変造を防ぐための手続きです。

検認は、遺言の内容が有効かどうかを最終的に判断する手続きではありません。しかし、不動産の相続登記や預貯金の手続きを進めるうえで、必要になることがあります。

遺言書を見つけたら、まずは落ち着いて、司法書士や弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

遺言書に不動産の記載があるか確認する

遺言書の中に不動産についての記載がある場合は、どの不動産を、誰に、どのように相続させる内容なのかを確認します。

確認したいポイントは、次のとおりです。

・土地や建物の所在地
・地番や家屋番号
・相続する人の氏名
・共有にするのか、単独で相続するのか
・売却や換価についての指定があるか
・他の相続人への代償金の記載があるか

不動産の記載があっても、住所だけで書かれている場合や、現在の登記情報と一致しない場合があります。その場合は、登記簿謄本や固定資産税の課税明細書などを確認し、対象となる不動産を特定する必要があります。

札幌市内の不動産であれば、固定資産税の書類や名寄帳を確認することで、土地・建物の内容を整理できる場合があります。

遺言書があっても、すぐに売却できるとは限りません

遺言書で不動産を相続する人が指定されていても、すぐに売却できるとは限りません。

売却を進めるには、まず相続登記によって不動産の名義を変更する必要があります。亡くなった方の名義のままでは、原則として相続人がその不動産を売却することはできません。

また、遺言書の内容によっては、他の相続人との調整が必要になる場合もあります。

たとえば、次のようなケースです。

・不動産以外の財産とのバランスが大きく偏っている
・遺留分に関する問題が出る可能性がある
・遺言書に記載された不動産が現在の登記情報と異なる
・複数の相続人で共有する内容になっている
・売却代金を分けるように指定されている

特に不動産は、預貯金のように簡単に分けることができません。遺言書がある場合でも、相続人同士で認識をそろえておくことが大切です。

共有名義になる場合は、将来の売却や管理に注意

遺言書によって、ひとつの不動産を複数の相続人で共有する内容になっている場合もあります。

共有名義にすると、一見公平に見えることがあります。しかし、将来その不動産を売却したり、賃貸に出したり、大きな修繕を行ったりする際に、共有者同士の合意が必要になることがあります。

たとえば、札幌にある実家を兄弟姉妹で共有したものの、誰も住まないまま空き家になってしまうと、固定資産税や管理費、冬場の除雪、建物の劣化対応などを誰が負担するのかで悩むことがあります。

遺言書に共有の指定がある場合は、相続後の管理方法や売却方針についても、早めに話し合っておくと安心です。

不動産の価値を確認してから判断しましょう

遺言書に「長男に自宅を相続させる」「不動産を売却して代金を分ける」といった内容があっても、実際にどのくらいの価値がある不動産なのかを確認することが重要です。

確認したい項目は、次のとおりです。

・現在の売却見込み額
・固定資産税評価額
・住宅ローンや抵当権の有無
・建物の築年数や状態
・接道状況や土地の利用制限
・空き家として管理する場合の費用

札幌市内でも、地下鉄駅に近い住宅地、郊外の戸建て、古いアパート、山林や原野など、不動産の種類によって売却のしやすさは大きく変わります。

遺言書の内容だけで判断するのではなく、不動産としての現実的な価値や活用可能性も確認しましょう。

遺言書がある場合こそ、早めの相談が大切です

遺言書があると、相続手続きがスムーズに進むことがあります。一方で、内容があいまいだったり、不動産の特定が難しかったり、相続人間で受け止め方が異なったりすると、かえって手続きが複雑になることもあります。

特に不動産が関係する相続では、登記、売却、税金、相続人同士の調整など、複数の確認事項があります。

札幌で不動産相続が発生し、遺言書が見つかった場合は、次の順番で整理すると進めやすくなります。

遺言書の種類を確認する
検認が必要か確認する
不動産の内容を特定する
相続人と遺言内容を確認する
相続登記を進める
売却・活用・保有の方針を決める

まとめ|遺言書がある不動産相続は、内容確認から慎重に

遺言書が見つかった場合は、まず種類や内容を確認し、必要な手続きを整理することが大切です。

特に札幌で不動産を相続する場合、名義変更だけでなく、売却できるか、管理費用がかかるか、相続人同士でどのように扱うかまで考える必要があります。

遺言書があるから安心、遺言書があるからすぐに売れる、とは限りません。

札幌で遺言書が関係する不動産相続にお悩みの方は、不動産の状況を確認しながら、早めに専門家へ相談することをおすすめします。