札幌の相続空き家控除|必要書類の集め方
相続した空き家を売却し、「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」を利用したい場合、制度の要件を満たすだけでなく、売却方法に合った書類をそろえて確定申告をする必要があります。
結論からいうと、最初に「耐震改修して売る」「解体して土地を売る」「売却後に買主が耐震改修または解体する」のどれに当たるかを確認してください。選ぶ様式と添付書類が異なるためです。
この記事では、2026年10月時点の札幌市・国税庁の案内をもとに、必要書類の種類、取得先、集める順番を分かりやすく整理します。
結論|必要書類は売却方法で3種類に分かれる
札幌市へ「被相続人居住用家屋等確認書」を申請するときの様式は、売却方法によって次の3種類に分かれます。
| 売却方法 | 札幌市の様式 | 主な追加書類 |
|---|---|---|
| 耐震改修した家屋、または家屋と土地を売る | 様式1-1 | 耐震基準適合証明書など |
| 家屋を解体してから土地を売る | 様式1-2 | 建物の閉鎖事項証明書、更地の写真など |
| 家屋と土地を売った後、翌年2月15日までに耐震改修または解体する | 様式1-3 | 工事完了日や解体日を確認できる書類など |
様式を間違えると、追加提出や申請のやり直しが必要になることがあります。売買契約を結ぶ前に、仲介会社や税理士と売却方法を確認しておくと安心です。
まず押さえたい共通書類
確定申告までを見通すと、書類は「札幌市から確認書を取得するための書類」と「税務署へ提出する書類」の2段階に分かれます。
札幌市への申請で共通して確認される主な書類
・被相続人居住用家屋等確認申請書
・被相続人の除票住民票
・相続人全員の住民票
・売買契約書の全ページ
・土地・建物の登記事項証明書
・電気、ガス、水道の使用中止日が分かる書類、または仲介会社の広告
・郵送で受け取る場合の返信用封筒
確定申告で用意する主な書類
・確定申告書
・譲渡所得の内訳書(土地・建物用)
・被相続人居住用家屋等確認書
・登記事項証明書等
・売買契約書の写しなど、売却代金が1億円以下と分かる書類
・売却方法に応じた耐震基準適合証明書、建設住宅性能評価書、解体を証明する書類など
国税庁の案内では、不動産番号等の明細書に不動産番号を記載することなどにより、登記事項証明書の添付を省略できる場合があります。
札幌市の確認書申請で必要な書類
札幌市の確認書申請で特に早めに用意したいのは、次の書類です。
1.被相続人の除票住民票
死亡日と死亡時の住所を確認する書類です。老人ホーム等への入所後に別の施設へ転居していた場合は、戸籍の附票が必要になることがあります。
2.相続人全員の住民票
相続後に相続人がその家に住んでいないことを確認します。様式1-1・1-3では譲渡日以降、様式1-2では解体日以降に発行されたものが求められます。住所を複数回移している場合は戸籍の附票も確認しましょう。
3.空き家だったことを示す書類
電気・ガス・水道の使用中止日が分かる書類や、住所が記載された閉栓時の領収書・請求書、仲介会社が作成した広告などが該当します。札幌市の案内では、水道の使用廃止届出書は札幌市水道局で発行していないとされています。
4.売買契約書と登記事項証明書
売買契約書は一部ではなく全ページの写しを用意します。登記事項証明書は法務局の窓口だけでなく、オンラインで交付請求することもできます。
解体や売却後の工事で追加する書類
家屋を解体してから土地を売る場合は、共通書類に加えて次の資料を用意します。
・解体後の建物の閉鎖事項証明書
・建物が未登記の場合は、解体工事の契約書、請求書、領収書など
・解体後の更地の写真(日付を記入)
・土地の登記事項証明書
・敷地の売買契約書
更地の写真は、解体後の土地が別の建物や構築物の敷地として使われていないことを確認する資料になります。解体した直後に、敷地全体と周囲の状況が分かる写真を残しておきましょう。
売却してから買主が翌年2月15日までに解体または耐震改修する場合は、様式1-3を使います。買主側の工事が期限に間に合わないと特例を利用できない可能性があるため、売買契約書に期限と協力事項を明記し、完了書類の受け渡し方法まで決めておくことが重要です。
必要書類の取得先一覧
| 書類 | 主な取得先 | 注意点 |
|---|---|---|
| 除票住民票・住民票・戸籍の附票 | 各区役所、大通証明サービスコーナーなど | 発行日の条件を確認 |
| 登記事項証明書・閉鎖事項証明書 | 法務局、オンライン請求 | 土地と建物を分けて確認 |
| 売買契約書・広告 | 仲介会社 | 全ページを保管 |
| 解体工事の契約書・領収書・写真 | 解体会社、仲介会社 | 解体日と更地の状態が分かるようにする |
| 耐震基準適合証明書など | 建築士、指定確認検査機関など | 証明日・調査日の条件を確認 |
札幌市の確認書は、市役所本庁舎2階の建築安全推進課へ持参または郵送で申請できます。発行には数日かかり、書類の不備があれば追加対応も必要です。確定申告の直前ではなく、売却方針が決まった段階から準備を始めましょう。
書類を集める6つの手順
書類は次の順番で集めると、二度手間を減らせます。
1.特例の対象になりそうか確認する
家屋の建築時期、区分所有建物でないこと、被相続人以外の居住者がいなかったこと、売却期限、売却代金などを確認します。
2.売却方法を決める
耐震改修して売るのか、解体して土地を売るのか、売却後に買主が工事を行うのかを決めます。
3.住民票関係と登記書類を取得する
住所移転や未登記建物があると追加書類が必要になるため、早めに確認します。
4.売却・解体・ライフラインの証拠を保管する
契約書、領収書、広告、閉栓時の請求書、更地の写真などを一つのファイルにまとめます。
5.札幌市へ確認書を申請する
該当する様式のチェックシートを使い、郵送または窓口で提出します。
6.確定申告書類をそろえる
確認書の交付後、譲渡所得の内訳書や売買契約書などと合わせて申告します。
相続空き家控除の必要書類に関するFAQ
Q.確認書があれば、必ず3,000万円控除を受けられますか?
A.いいえ。確認書は市区町村が一定の事実を確認した書類です。特例を適用できるかは、ほかの要件も含めて税務署が判断します。
Q.相続人が3人以上でも控除額は3,000万円ですか?
A.2024年1月1日以後の譲渡で、対象家屋と敷地を取得した相続人が3人以上の場合、1人当たりの控除上限は2,000万円です。
Q.老人ホームに入所していた場合も対象になりますか?
A.要介護認定等や施設の種類、家屋の利用状況など一定の要件を満たせば対象になる場合があります。介護保険被保険者証、施設入所時の契約書、外泊・外出記録などの追加書類が必要です。
Q.書類を紛失した場合は申請できませんか?
A.代替書類や補完書類、聞き取りによって確認できる場合があります。自己判断で諦めず、札幌市の担当窓口へ相談してください。
Q.いつまでに売却する必要がありますか?
A.原則として相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までです。また、制度の適用対象となる譲渡は2027年12月31日までとされています。
まとめ|売却前から書類を残しましょう
相続空き家の3,000万円特別控除では、売却方法によって札幌市へ提出する様式と必要書類が変わります。まず様式1-1・1-2・1-3のどれに該当するかを決め、住民票関係、登記書類、売買契約書、空き家だったことを示す資料を集めましょう。
特に、閉栓時の請求書、更地の写真、解体工事の領収書などは、時間がたつと用意しにくくなります。売却や解体の前から、必要書類を確認して保管することが大切です。
身近な相続の専門家では、札幌の相続不動産について、売却方法の整理から不動産会社・税理士などとの連携まで状況に合わせてご案内します。
制度の対象要件を先に確認したい方は、札幌で相続した空き家の3,000万円控除とは?をご覧ください。
不動産の価格を確認したい方は、札幌の相続不動産|評価額の調べ方も参考にしてください。
札幌の不動産相続については、身近な相続の専門家トップページをご覧ください。
参考:国税庁「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」、札幌市「被相続人居住用家屋等確認書の発行について」、国土交通省「空き家の発生を抑制するための特例措置」、法務局「登記事項証明書等を取得したい方」








