最終更新日:2026.09.23

札幌で相続不動産を売る際の費用一覧|いつ何にかかる?

札幌の秋景色と相続不動産の売却費用をイメージした住宅模型、鍵、計算機、書類

相続した不動産を売却するときは、仲介手数料や税金だけでなく、登記、測量、残置物処分、解体などの費用が必要になることがあります。しかも、すべてを同じ時期に支払うわけではありません。

費用を把握しないまま売却価格だけで判断すると、想定していた手取り額と差が出ることがあります。この記事では、札幌で相続不動産を売る際に考えておきたい費用を「いつ・何にかかるか」という順番で整理します。

実際の金額は物件の状態、売買価格、権利関係、依頼先によって変わります。まずは費用の全体像をつかみ、個別の見積もりと税務確認につなげてください。

相続不動産の売却費用は4つの時期で整理

費用は、次の4つの時期に分けると見落としにくくなります。

・売却前:相続登記、書類取得、測量、片付け、解体など
・売買契約時:印紙税、仲介手数料の一部など
・引き渡し・決済時:仲介手数料の残額、抵当権抹消、司法書士費用など
・売却後:譲渡所得税・住民税、確定申告に伴う費用など

すべての物件で全項目が必要になるわけではありません。最初に「必ず必要な費用」と「物件の状態によって発生する費用」を分けておくことが大切です。

売却前にかかる費用

相続登記に関する費用
亡くなった方の名義のままでは、原則として買主へ所有権を移転できません。売却前に相続登記を行い、登録免許税や戸籍・住民票などの取得費用、司法書士へ依頼する場合の報酬を見込んでおきます。相続人や不動産の数、過去の相続の有無によって必要書類と費用は変わります。

測量・境界確認の費用
土地の境界が不明確な場合や、買主から確定測量を求められる場合は、土地家屋調査士への依頼費用が発生します。隣接地所有者との立ち会いが必要になることもあり、費用だけでなく期間にも余裕が必要です。

残置物処分・清掃・解体の費用
家具や家財の処分、庭木の手入れ、清掃、建物の解体などは物件の状態に応じて発生します。先に工事を行うとは限らず、現況のまま売る場合と費用対効果を比較します。札幌では積雪期に現地確認や工事が進めにくいケースもあるため、早めに見積もりを取りましょう。

売買契約時にかかる費用

印紙税
紙の不動産売買契約書には、契約金額に応じた収入印紙を貼付します。軽減措置の適用期間や税額は改正されることがあるため、契約時点の国税庁の案内を確認してください。

仲介手数料
不動産会社へ仲介を依頼し、売買契約が成立した場合に支払う成功報酬です。法律で上限が定められており、支払時期は「契約時に一部、決済時に残額」とする会社もあれば、決済時にまとめて支払う会社もあります。媒介契約を結ぶ前に、金額と支払時期を書面で確認しましょう。

売買契約が解除になった場合の扱いも、解除理由や契約内容で異なります。手付金や違約金を含め、契約条件を十分に確認することが重要です。

引き渡し・決済時にかかる費用

決済日には、買主から残代金を受け取り、鍵と必要書類を引き渡します。この時点で仲介手数料の残額を支払うほか、次の費用が発生することがあります。

・住宅ローンが残っている場合の一括返済手数料
・抵当権抹消登記の登録免許税と司法書士報酬
・登記簿上の住所や氏名が現状と異なる場合の変更登記費用
・契約条件に含まれる測量、解体、残置物処分などの残代金

固定資産税・都市計画税は、一般的に引き渡し日を基準として売主と買主の負担分を精算します。これは自治体への納税義務者を途中で変更する手続きではなく、売買当事者間の精算です。起算日や計算方法は契約書で確認します。

売却後に確認する税金

売却によって利益である「譲渡所得」が生じた場合は、譲渡所得税と住民税の対象になります。基本的な考え方は「売却代金-取得費-譲渡費用-適用できる特別控除」です。

相続した不動産では、被相続人が取得したときの購入代金などを引き継いで取得費を計算します。購入時の契約書が見つからない場合は、取得費を売却代金の5%相当額とする方法もありますが、税負担が大きくなる可能性があるため、古い資料も丁寧に探しましょう。

仲介手数料や売買契約書の印紙税など、売却のために直接かかった費用は譲渡費用に含められる場合があります。一方、修繕費や固定資産税など、すべての支出が対象になるわけではありません。相続税を納めた方は、一定の要件で相続税の一部を取得費に加算できる特例もあるため、税理士や税務署へ確認してください。

費用を見落とさないための準備

売却前には、次の資料を一つのファイルにまとめておくと費用を試算しやすくなります。

・固定資産税の納税通知書、登記事項証明書
・相続関係を確認できる戸籍や遺産分割協議書
・購入時の売買契約書、領収書、建築請負契約書
・測量図、境界確認書、建物図面
・住宅ローンの残高証明書
・片付け、測量、解体などの見積書

不動産会社へ査定を依頼するときは、査定価格だけでなく、想定される諸費用と手取り額の試算も依頼しましょう。複数の相続人がいる場合は、誰が立て替えるか、売却代金からどの費用を差し引くかも事前に共有しておくと安心です。

まとめ|手取り額から逆算して売却を進めましょう

相続不動産の売却費用は、契約時だけでなく、売却前の登記や片付け、決済時の手続き、売却後の税金まで複数の時期に発生します。まずは物件と権利関係を確認し、必要な費用を一覧にして、売却価格から差し引いた手取り額を試算しましょう。

札幌の不動産は、土地の境界、建物の状態、積雪期の作業予定などによって準備期間と費用が変わります。早い段階で不動産会社、司法書士、税理士などへ相談し、見積もりと手続きを同時に整理することが大切です。

身近な相続の専門家では、札幌で相続した不動産の状況を伺い、売却方法や必要な費用を整理します。手取り額の目安を知りたい方もお気軽にご相談ください。

参考:国税庁「取得費となるもの」国税庁「土地や建物を売ったとき」国土交通省「宅地建物取引業者が受けることができる報酬の額」